硬直1000F

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俺が!俺たちが!アンパンマンだ!

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 アンパンマンを知らない人はいないだろう。子ども向けアニメのキャラクターの中でも、最もポピュラーな人物(パン物?)である。2,3年前の資料ではあるが、幼児向けキャラクターの人気投票でも男女ともに1位を獲得するなど、”日本で最も子どもに人気のキャラクター”としての地位を不動のものとしている。

 

animeanime.jp

 

 

 ところで、彼が”日本で最も子どもに人気のキャラクター”であることは、その事実以上の意味を持っていると私は考える。誤解を恐れずに言えば、彼には”ヒーロー”を超えて”教祖”となりうる資質があると私は思っている。

 

 何を大げさな、と思われる方もいるだろう。しかし、実際これは大げさでもなんでもない。

 

 日本は他国に比べ、そもそも宗教的イデオロギーに乏しい国である。生まれたときからイエスの教えやアッラーの尊さを説かれている他国とはわけが違う。することといえば、なんとなく仏壇に手を合わせさせられるくらいのものだろう。私たち日本国民は、乳児期に刷り込まれる宗教的価値観がほとんどないのだ。

 

 そうして乳児から幼児と成長した子どもたちにとって、教祖と呼ぶべき、絶対のリーダーシップとカリスマ性を持つのは誰か。先のアンケートが物語る通り、それこそがアンパンマンその人なのである。

 

 そしてこのことは、こと現代においては非常に大きな影響力を持つ。現代日本は、SNSの発達によって、実際にリーダーシップをとる立場の者(政治家・官僚・警察など)への視線が実に懐疑的になっている。もはや、総理大臣よりも、有名YouTuberのほうが国民に対する影響力は大きいのではないか。そうした明確な影響力を持つリーダーのいない現代、子ども全体の人気を掌握するアンパンマンが持つ波及能力は、決して無視できないほど大きいのである。

 

 

 

 さて、アンパンマンに関連する曲の中に、アンパンマンたいそう」というものがある。リズムに合わせて体を動かす、ラジオ体操のようなイメージの曲である。アンパンマンら登場キャラクターたちが振り付けをレクチャーしてくれる教則動画なんかもある。私は幼い頃にこれを知り、踊ったりもしていたのだが、大人になってその恐ろしさに気が付いた。気づかせてくれたのは、映画”THE WAVE”だった。

 

 “THE WAVE”は、ドイツが舞台の心理スリラーだ。ヒトラーの独裁政治を学ぶ体験授業をきっかけに、授業の一環とわかりながら洗脳されていく高校生たちの姿が生々しく描かれている。

 

 この映画では、独裁制を体験する要素のひとつとして、生徒全員に同じ動きを強制させる、という手法が紹介されている。映画のイメージショットにもなっている波のような手の動きは、まさに「敬礼」だ。敬礼はただの形式でなく、構成員を団結させ、組織に従属させる(という意識を持たせる)はたらきがある。

 

 先のアンパンマンたいそうを思い出してみてほしい。複雑な動きのダンスをきっちり踊らせるという「敬礼」は、組織の団結という意味合いを超え、極度に全体主義的だ。幼児たちはアンパンマンたいそうをコピーすることで、アンパンマンを教祖と崇める宗教的(全体主義的)思想に無意識に加担していくことになる。

 

 

 

 しかし、我々の住む国は、世界的に見ても教育水準の高い日本である。いくら無意識にとはいえ、このような全体主義的思想を幼児期から徹底させる陰謀があれば、何者かに感付かれ、批判の対象になってしまうだろう。だから、実はアンパンマンたいそうには、そうした批判を受け流すさらなる仕掛けが周到に用意されている。

 

 アンパンマンたいそうの、いわゆるサビの部分。歌詞に注目してほしい。我々に向かって、

 

アンパンマンは君さ(Hey, You!)

 

 と高らかに歌い上げる。これまで「アンパンマンを崇めよ。アンパンマンに続け。」と、アンパンマンのリーダー性を主張し、教祖として推し戴かせていたにもかかわらず、突然我々こそがアンパンマンであることが告げられるのだ。とはいえ、これはなにもいきなりハシゴを外してやろうとか、そういった意図のものではない。先も述べたように、1人の教祖を中心として全体主義的に組織をまとめ上げるのは、日本という国家においては非常にリスキーだ。だから彼は、その影響力を持ったまま、”現存の子どもたちにアンパンマンとして振る舞わせる”という策を講じたのだ。「アンパンマンこそが絶対のリーダーである」と刷り込ませた上で、「実はそのアンパンマンとは君たちのことだ」と実存の子どもたちに役割をなすりつける。子どもたちは自分の意思ではなく、アンパンマンという概念に首をすげ替えられ(まさに”新しい顔”!!)、制御できない意思によって全体主義的思想に加担していくことになるのだ。

 

 こうしてアンパンマンは新たなるアンパンマンを生む。日本は、もう手遅れだ。我々は知らず知らずのうち、アンパンマン全体主義に侵された社会を形成し、大いなる意思の傀儡として踊り続けている。

 

 

 

 最後に、ではこの陰謀の黒幕が誰か、ということに触れて終わりにしたい。

 

 アンパンマンは正義のヒーローである。彼が行う暴力は、あくまで悪に対するもののみだ。全体主義的組織には必ず、「思想に加担しない何者かへの迫害」という側面がある。ヒトラー総統下におけるホロコーストがその最たる例だろう(現代の中国でもまあなんかいろいろあるらしいが、マジでアカウントBANの危険性があるため余計なことは言わないでおく)。

 

 では、今回の場合における”他者に対する迫害”は、誰によって、どのように行われているのだろうか?

 

 聡明な読者ならもうお分かりのはずだ。アンパンマンを焼き上げた張本人は誰だったか。そして、”jam”という英単語の持つ2つ目の意味は「人を(狭いところに)押し込む」ホロコーストで行われた、ガス室での虐殺事件。

 

 

 

 

 

 ———これ以上の説明は不要だろう。この記事も、近いうちに抹消せねばならない。私は、触れてはいけない世界の闇を知ってしまったのかもしれ……ん?誰か来たようだ。それでは。