硬直1000F

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青は藍より出でて藍より青し(なんじゃこいつ)

 

 

 青色の染料は草の藍から取るが、それはもとの藍草よりもずっと青いということ。弟子が師よりもすぐれていることのたとえ。

 

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 私は怒っている。この怒りを覚えてから20余年、いまだにその熱は冷めずにいる。あれはたしか小学生の頃、図書室にあった”ことわざ辞典”的な文献でこの言葉を目にしたのだった。

 

 青は藍より出でて藍より青し

 

 なんだかオシャレな言い回しだ。少し早くから厨二病を発症していた私は、この語感を気に入ってしまった。気に入ってしまったからこそ、その後に書かれている意味を読んだときに、ますます憤慨したのかもしれない。

 

 弟子が師よりもすぐれていることのたとえ

 

 なんだこの意味は?ここではもちろん、藍が師の意、青が弟子の意であろう。待て待て、青が藍よりも青いのは当然だ、だって”青さ”の基準は”青”という色への近さによって決まるんだから。”青さ”を争うことになれば、藍色が青色に勝てるはずがない。藍にとっては完全な負け戦だ。

 

 青は戦いの尺度として、自己のアイデンティティをそのまま種目として持ち込むという無法のラフプレーを見せた。ところが青(CV:入野自由のこの態度はどうだ。「あっれ~?師匠、なんですかぁ~そのくすんだ色?そんなんじゃ全然青とは呼べませんよ、せいぜい僕の色に近づけるようにがんばってくださいねwあ、もう色素残ってないかw」などと煽り散らかしているのだ。許せん。

 

 

 

 

 

 人間で例えるなら、子どもが生みの親に対して「年齢で勝負しようよw若いほうが勝ちねw」と言うようなものだ。子どもが親より若いのは定義として決まっており、覆せない摂理である。こんな条件では勝負にならないことがおわかりだろう。それなのに子どもは、悪びれる様子もなく勝利を誇るのだ。子ども、許せん。

 

 

 

 鳥でいえば、キツツキが始祖鳥に「どっちが木うまくつつけるか勝負しましょうやw」と言うようなものだ。キツツキは木をつついてエサをとることがアイデンティティであり、たとえ鳥類の先祖といえど勝てるはずがない。それなのにキツツキは、優越感に浸りながら始祖鳥を見下ろしている。キツツキ、許せん。

 

 

 

 車でもそうだ。言うなれば、軽自動車が普通車に「どっちのナンバープレートがより黄色いか勝負しませんw?」と持ちかけるようなものだ。軽自動車はナンバープレートが黄色いことで軽だと定義づけられているのだから、普通車が勝てるはずがない。それなのに軽自動車は、勝ち誇ったようにふんぞり返っている。軽、許せん。

 

 

 

 衣服。たとえるなら、折り返すとすそがチェック柄になっているズボンが無地のズボンに「穿いてるヤツのファッションセンスで勝負しましょうよwダサいほうが勝ちっすよw」と言っているようなものだ。折り返すとすそがチェック柄になっているズボンのアイデンティティは、まさにダサいことにある。ダサいという尺度で勝負をしたら、決して負けることはないのだ。それなのに折り返すとすそがチェック柄になっているズボンは、恥ずかしげもなく「いや~先輩たちさすがっすwオッシャレ~w」などとうそぶくのだ。折り返すとすそがチェック柄になっているズボン、許せん。

 

 

 

 犬でも同じことが言えそうだ。トイプードルが雑種犬に「どっちがより風俗嬢に飼われてるかで勝負しましょw」と言うようなものである。勝てるはずがない。風俗嬢の飼う犬のうち96%がトイプードルだというデータもある(残りはミニチュアダックスフントマルチーズで2%ずつ)。一説によれば、トイプードルのトイが大人のおもちゃを連想させるためエロい女に人気だと証明した学術論文もあるらしい。そんな八百長にも等しい試合を持ちかけておきながら、「楽勝っすねwじゃ、俺は帰ってご主人のオ〇ニー見なきゃなんないんでw」などと愉悦に浸るのだ。トイプードル、うらやま……許せん。

 

 

 

 家電。例えるなら、DVDプレーヤーがBlu-rayプレーヤーに「DVD見れるかどうかで戦いませんw?」と持ちかけるようなものだ。どちらも見られるようなハイブリッドのものでなければBDプレーヤーでDVDは見られないのだから、勝負ははじめからついている。現に私の実家にあったDVDプレーヤーがある日突然BDプレーヤーに置き換えられ、DVDプレーヤーは父親の部屋に左遷されていったのだが、あのとき中に入っていた私の「チンポコマグニチュード」のディスクはどこへいってしまったのだろうか。父親、許せん。

 

 

 

 

 

 

 

 炎上が怖いのでことわっておくが、べつに子どもやキツツキを悪く言うつもりはないし、折り返すとすそがチェック柄になっているズボンを穿いたっていい。なんなら別に青色にも怒ってない。風俗嬢のオナニーは見たい。そういうことだ。